じつは一昨日の夜おふくろから大変なことを聞かされました。
おふくろの旦那。つまり俺にとって義父にあたる人が、ステージ4の癌で余命2ヶ月ということです。
俺が成人してから知り合い再婚しているので、俺は彼は父と呼んだことはありません。
呼称は「おじさん」です。
そのおじさんがもうすぐ死にます。
オフクロが俺に引き合わせてから25年、ずっとおじさんと呼んできた義父がもうすぐこの世から居なくなります。
電話で話す彼は、いつものように軽い口調で自分の病状や診断までの経緯、自分の余命やこれからの治療方針、自分が死んだあとのことなどを感情を出さないまま淡々と他人事のようです。
癌は肺や腎臓、大腸を含め全身のあっちこっちに転移をしていて、手術で取りきることは不可能。
大腸の大きな腫瘍は土曜に入院して手術し、うまく行けば11月頃まで生きられる。
なので早ければ今月中、運良ければ年末頃まで生きられる。
淡々とあたかも大したことじゃないように・・・・。
俺にできることはない?
無いな。
強いて言うならば、あなたのお母さんのことが心配なので遺産相続などで揉めたら味方をしてあげて。
オフクロのことは心配ないから、自分の心配してよ!
まだ助かる方法があるかもしれない!
知り合いの研究者に連絡して、助かる方法が無いか聞いてみる!
が、その研究者の酸化鉄さんは、残念だけどどうしようもない。終末治療というか、最後にどう生きるかというのが課題になる。と。
ただ、そこから帰ってくる人は僅かだけどいると。
自分が死ぬことがわかっているってどういうことだろう。
もう会えないくなるのか。
決してヒーローみたいな人ではなく、地味で何をしても失敗して、趣味もなく、強い正義感も力もなく小市民だけど、俺のオフクロの恩人です。
いや、俺にとっても恩人で、その恩をまだ返せていない。
コロナのせいで、これから手術をするひとに会いに行くわけには行かない。
子供たちは本当のじいちゃんとして慕っている。
会わせたい。会いたい。
幼馴染のSは突然死んだ。
前日まで一緒に遊んでいたMさんも約束したまま帰らぬ人になった。
でも今度は死ぬことがわかっている。
本来なら会えるはずなのに会えない。
オフクロも病医院へ付き添えないという。
やはりコロナのせいだ。
そんな悶々とした中、昨日の作業は陸稲の播種だ。
浸漬して芽が動いているので、早々に植えないと根が伸びて欠けてしまう。
本当は前日予定だったけど、雨が降ったため作業ができず、発育を冷蔵庫に入れることで抑えてある。
今日こそ植えよう。
そして翌日はやはり会いに行こう。
車の窓越しならいいだろう。
そうだ。おじさんの好きなものってなんだろう?
贅沢をしない人で、常にオフクロや俺に合わせる人だった。
マックシェークやコーラが好きだった。
でもそれは健康に良さそうじゃない。
そうだ。よく故郷では大根おろし蕎麦を食べていると言っていた。いつも辛い大根を探していた。
俺はそのためによく辛味大根を作っていた。
蕎麦を打っていってやろう。辛味大根は無いけど、買ってこればいいや。
俺が打てる最高の蕎麦を持っていこう。
蕎麦はルチンが豊富で免疫を高める。また長生きの験担ぎにもなる。
そんなことを考えてると土砂降りになり、濡れ鼠のまま作業は中断です。
そして今朝。
早起きして蕎麦を打ちました。
本当は自家製のそば粉を使いたかったのですが、粉まで挽く時間がありません。
なので市販のそば粉ですが、いい蕎麦が打てたと思います。
出発は昼。
15時頃まで向こうにつけば、明るいので外で顔を見ることができる。
まだ最後になるかもしれない家での食事に蕎麦が間に合う。
午前中に陸稲の続きを終わらせて行こう。
昨日とは打って変わってピーカンの中。3人で作業をすすめる。
紐に沿って撒き溝を掘っていきます。
このように鳩のくちばしのように根が出始めているときが植えどきです。
もう少し伸びると、柔軟性が無いので根がなにかに触れたショックで砕けます。
なので、このタイミングで植えることが大切です。
浸漬しておよそ5~7日程度でこのようになるのですが、うまくスケジュールが調整できない時は、冷蔵庫に入れて成長を遅らせたりして調整します。
1箇所に2~5粒ほど15センチ間隔で撒いていきます。
早く出れるように3人でいっきに作業を終わらせます。
Guu家はこういうときには一致団結します。
しかしこの時携帯がなります。
相手は先日初めて納品した産直所でした。
今日、野菜が少ないんです!なんとかかなりませんか?
もともと市街地で周りに生産者の少ないエリアなので棚は空き気味らしいのですが、連休に野菜がないのは困っているのだろう。
ちょうど実家に行くのに近くを通るので、キャベツを持っていく約束をする。
こちらはハッピーヒルのうるち米。
ハッピーヒルにはもち米もあるのだが、それは昨日直播しました。
しかしながら2年も連続して失敗したので、今年はタネが乏しい。
このタネも3年前の残りです。
これが失敗したらもう後がないので、直播でななく苗を作ることにしました。
ネリカ米より、こっちのほうが成長が進んでいますね。
3トレイ分の苗を仕込み、一路実家へ。
コロナ越境もうるさいので途中は納品以外一切どこもたち寄らない。
ようやくおじさんに会うことができた。
20分ぐらい5メートルほど離れて立ち話をして、蕎麦と子供たちが書いた手紙を渡す。
最期の晩餐かぁ~
と冗談めいて言うので、
また打ってくるよ。何度でも打ってくるよ。蕎麦は免疫を高める食材だから、きっと元気になる。
まだ最期じゃないよ
そうかも知れないと。最期かもしれないと思って打ってきた俺はいったいどんな顔をしていたのだろう
おふくろの旦那。つまり俺にとって義父にあたる人が、ステージ4の癌で余命2ヶ月ということです。
俺が成人してから知り合い再婚しているので、俺は彼は父と呼んだことはありません。
呼称は「おじさん」です。
そのおじさんがもうすぐ死にます。
オフクロが俺に引き合わせてから25年、ずっとおじさんと呼んできた義父がもうすぐこの世から居なくなります。
電話で話す彼は、いつものように軽い口調で自分の病状や診断までの経緯、自分の余命やこれからの治療方針、自分が死んだあとのことなどを感情を出さないまま淡々と他人事のようです。
癌は肺や腎臓、大腸を含め全身のあっちこっちに転移をしていて、手術で取りきることは不可能。
大腸の大きな腫瘍は土曜に入院して手術し、うまく行けば11月頃まで生きられる。
なので早ければ今月中、運良ければ年末頃まで生きられる。
淡々とあたかも大したことじゃないように・・・・。
俺にできることはない?
無いな。
強いて言うならば、あなたのお母さんのことが心配なので遺産相続などで揉めたら味方をしてあげて。
オフクロのことは心配ないから、自分の心配してよ!
まだ助かる方法があるかもしれない!
知り合いの研究者に連絡して、助かる方法が無いか聞いてみる!
が、その研究者の酸化鉄さんは、残念だけどどうしようもない。終末治療というか、最後にどう生きるかというのが課題になる。と。
ただ、そこから帰ってくる人は僅かだけどいると。
自分が死ぬことがわかっているってどういうことだろう。
もう会えないくなるのか。
決してヒーローみたいな人ではなく、地味で何をしても失敗して、趣味もなく、強い正義感も力もなく小市民だけど、俺のオフクロの恩人です。
いや、俺にとっても恩人で、その恩をまだ返せていない。
コロナのせいで、これから手術をするひとに会いに行くわけには行かない。
子供たちは本当のじいちゃんとして慕っている。
会わせたい。会いたい。
幼馴染のSは突然死んだ。
前日まで一緒に遊んでいたMさんも約束したまま帰らぬ人になった。
でも今度は死ぬことがわかっている。
本来なら会えるはずなのに会えない。
オフクロも病医院へ付き添えないという。
やはりコロナのせいだ。
そんな悶々とした中、昨日の作業は陸稲の播種だ。
浸漬して芽が動いているので、早々に植えないと根が伸びて欠けてしまう。
本当は前日予定だったけど、雨が降ったため作業ができず、発育を冷蔵庫に入れることで抑えてある。
今日こそ植えよう。
そして翌日はやはり会いに行こう。
車の窓越しならいいだろう。
そうだ。おじさんの好きなものってなんだろう?
贅沢をしない人で、常にオフクロや俺に合わせる人だった。
マックシェークやコーラが好きだった。
でもそれは健康に良さそうじゃない。
そうだ。よく故郷では大根おろし蕎麦を食べていると言っていた。いつも辛い大根を探していた。
俺はそのためによく辛味大根を作っていた。
蕎麦を打っていってやろう。辛味大根は無いけど、買ってこればいいや。
俺が打てる最高の蕎麦を持っていこう。
蕎麦はルチンが豊富で免疫を高める。また長生きの験担ぎにもなる。
そんなことを考えてると土砂降りになり、濡れ鼠のまま作業は中断です。
そして今朝。
早起きして蕎麦を打ちました。
本当は自家製のそば粉を使いたかったのですが、粉まで挽く時間がありません。
なので市販のそば粉ですが、いい蕎麦が打てたと思います。
出発は昼。
15時頃まで向こうにつけば、明るいので外で顔を見ることができる。
まだ最後になるかもしれない家での食事に蕎麦が間に合う。
午前中に陸稲の続きを終わらせて行こう。
昨日とは打って変わってピーカンの中。3人で作業をすすめる。
紐に沿って撒き溝を掘っていきます。
このように鳩のくちばしのように根が出始めているときが植えどきです。
もう少し伸びると、柔軟性が無いので根がなにかに触れたショックで砕けます。
なので、このタイミングで植えることが大切です。
浸漬しておよそ5~7日程度でこのようになるのですが、うまくスケジュールが調整できない時は、冷蔵庫に入れて成長を遅らせたりして調整します。
1箇所に2~5粒ほど15センチ間隔で撒いていきます。
早く出れるように3人でいっきに作業を終わらせます。
Guu家はこういうときには一致団結します。
しかしこの時携帯がなります。
相手は先日初めて納品した産直所でした。
今日、野菜が少ないんです!なんとかかなりませんか?
もともと市街地で周りに生産者の少ないエリアなので棚は空き気味らしいのですが、連休に野菜がないのは困っているのだろう。
ちょうど実家に行くのに近くを通るので、キャベツを持っていく約束をする。
こちらはハッピーヒルのうるち米。
ハッピーヒルにはもち米もあるのだが、それは昨日直播しました。
しかしながら2年も連続して失敗したので、今年はタネが乏しい。
このタネも3年前の残りです。
これが失敗したらもう後がないので、直播でななく苗を作ることにしました。
ネリカ米より、こっちのほうが成長が進んでいますね。
3トレイ分の苗を仕込み、一路実家へ。
コロナ越境もうるさいので途中は納品以外一切どこもたち寄らない。
ようやくおじさんに会うことができた。
20分ぐらい5メートルほど離れて立ち話をして、蕎麦と子供たちが書いた手紙を渡す。
最期の晩餐かぁ~
と冗談めいて言うので、
また打ってくるよ。何度でも打ってくるよ。蕎麦は免疫を高める食材だから、きっと元気になる。
まだ最期じゃないよ
そうかも知れないと。最期かもしれないと思って打ってきた俺はいったいどんな顔をしていたのだろう
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コメント
コメント一覧 (2)
お義父さんの余命宣告、衝撃だったことでしょうね。
突然亡くなるのは受け入れるまでに時間がかかるし、悔いも半端ないことですが、じわじわと迫ってくる時間も”まだ大丈夫”と思いたい気持ちを持続させる辛さがありますね。癌の末期は見ている方が辛くなる時がありますのでお心を痛め過ぎなければと思います。
お義父さんに届けたお蕎麦とても美味しそうです!さぞかしお二人がGuuさんの思いやりで口福になったことでしょうね!
すこしづつコロナ感染が穏やかになってきてるので早く自由にお義父さん達の所に訪問出来るようになるといいですね。
後ひと踏ん張りです!!緊急事態宣言延長の地域の皆さ~ん!すべては自分に帰ってきますよ!外出を控え、予防を怠りなく、頑張りましょうね!
本当に衝撃的でした。
この世からもうじき義父が居なくなるということもそうですが、自分が死ぬことを受け入れているというのが理解できないと言うか、自分がその状況で耐えられるのか。ということも考えました。
Sの死で死生観が大きく変わりましたが、今はブッタのいう四苦が頭ではなく、心でわかる気がします。